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【Dolly Luster】 Chapter:1 宵闇の島の魔法使い 《2》 [小説 : Dolly Luster]




■ 普段の世界観とは違う、ファンタジー風の世界が舞台の長編連載物です。
登場キャラはいつものDollyShadow組ですが、普段の設定とは異なるパラレル設定になっています。
軽いBL要素を含みますのでご注意下さい。

前回 → 「Chapter:1 宵闇の島の魔法使い《1》」

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ラスター子爵領。
 バンリの島も、その一角にある。
 現在子爵家を治めているのは、若き当主、ラスター子爵。
 幼名は、『千紗』という。
 先代の当主は半年前に亡くなり、長男である千紗は、二十八の若さで爵位を継いだ。
 家臣達や領民達からの熱い期待を、一身に受けて。
 先代の当主は病弱で、政の才能にも恵まれたとは言えず、愚かな失政を繰り返して来た。
 その為、先代当主の代で、子爵家の財政は酷く傾いてしまったのだと言う。
 噂では没落寸前とまで言われているが、本当のところは、その内部にいる者達にしかわからない。
 バンリも、詳しいことは知らない。
 だが、先代の当主とは違い、千紗は聡明で思慮深く、人の上に立つ者としての素質を持っている。爵位を継いでまだ半年にも関わらず、彼は、傾いた子爵家を着々と良い方向へ導いていた。
 千紗ならば、きっと立派に子爵家を復興してくれるだろう。
 バンリは、そう信じている。
 その千紗は、毎日の激務の合間を縫って、バンリの島にも頻繁に訪れてくれていた。
 そして、綺麗に咲く白薔薇を愛で、昼間でも消えない宵闇包まれて、バンリと共に幸せな時を過ごす。
 千紗が島に来てくれるのを、バンリは待っている。
 いつも、いつでも、待っている。
 そんなバンリの為に、千紗も、いつでも島を訪れてくれた。
 朝でも、昼でも、夜でも。
 そして時間の許す限り、バンリと一緒にいてくれる。
 優しい、子爵様。
 子供の頃から変わらない、そのお日さまのような微笑みが…… バンリには、とても眩しい。
「……そう言えば、バンリ」
 白薔薇の道を歩きながら、ふと千紗が言う。
 ぴくっと耳を揺らして、バンリはその人を見上げた。
「はい、千紗さん」
「最近…… アヤセは、ここへ来ているのか? 魔法の修行をしに」
 少し言いにくいことのように、千紗はその名を呼ぶ。
 アヤセ。
 それは、千紗の弟の名だ。
「はい、来てくれていますよ。とても頻繁に」
 繋いだ手を軽く振りながら、バンリはにこっと笑う。
 その笑顔に、千紗は少しだけ安心したような表情を見せた。
 だが、すぐに眉間に皺を寄せると、難しそうな顔で夜空を見上げる。
「そうか…… アヤセがお前に迷惑をかけてはいないかと、気になっていてな。……正直に言ってくれていいぞ、バンリ」
「迷惑だなんて、とんでもないです。むしろ、たくさんお手伝いをしていただいて、助かっていますよ」
「……そうか。それならいいんだが……」
 まだ少し顔を曇らせたまま、千紗はバンリの笑顔を見下ろす。
 子爵家当主の千紗には、弟がひとりいる。
 名を『アヤセ』といい、若くして神に仕える身だった。何でも、先代当主の意向で、幼い内から修道院へ入れられてしまったのだとか。
 彼はいつかバンリのような魔法使いになるべく、バンリの島に頻繁に通って来ている。
 言ってみれば、バンリの弟子のようなものだ。
「魔法使いになる、なんて言っているが…… アヤセに、本当にそんな才能があるんだろうか」
 ふと後ろを見遣って、千紗は呟く。
 もちろん、そこには誰もいない。ただ、白薔薇がそよ風に揺れているだけだ。
 千紗にとって弟は、そういう位置にいる存在なのだろう。
「リヴリーの生得呪文…… アヤセは、それすらまだ充分に使いこなせていない。そんなアヤセが、お前のような魔法使いになどなれるのか……」
「千紗さん」
 バンリは、キッパリとそれを遮る。
 少し驚いたように、千紗は隣を歩く少年を見た。
 そんな千紗を、バンリは軽く睨んで見せる。
「アヤセ君には、魔法使いとしての才能があります。これは、何度も僕が申し上げていることですよ?」
「……ああ。そうだな。だが……」
「確かに、アヤセ君はまだ魔法らしい術を行使することは出来ません。ですが、魔法の力を感知する力に限ってみれば…… アヤセ君は、僕なんかよりも遙かに優れた魔力感知能力を持っていると言えるでしょう。それだけでも、魔法使いとしての素質は充分です。間違いありません」
 グッと手を握りしめ、バンリは力説する。
 そんな少年に、千紗は少しだけ目を瞬かせた。
 だが、すぐにその頬を緩めると、空いた方の手でバンリの頭をくしゃくしゃ撫でる。
「そうか。それなら、いいんだ。……弟を頼んだぞ、バンリ」
「はい。僕も頑張ってアヤセ君の修行のお手伝いします」
「ああ。まぁ、無理のない程度にな」
 意気込むバンリに、千紗は少し苦笑する。
 そんなことを話しているうちに、薔薇の道は終わり、バンリの家の前に辿り着く。
 短い階段をたたっと登って、バンリは扉を開け、千紗を招いた。
「さぁ、どうぞ。いらっしゃいませ、千紗さん」
「ああ。お邪魔するぞ、バンリ」
 小さなドアマンの労をねぎらい、千紗は家の中に入って行く。
 扉は、背の高い千紗が通ってもまだまだ余裕があるほど、高く大きく出来ていた。
 この家自体も、そう。
 見た目は人形の家のように可愛らしいが、天井は高く、空間は広々としている。
 明らかに、大人が生活するための家だった。
「千紗さん、少しだけお待ち下さいね。今、支度をしますから」
 バンリは千紗にダイニングの椅子を勧めると、一端寝室に戻った。
 そして、二つあるクローゼットの前で足を止める。
 右側のクローゼットは、少年の衣服を入れるのに丁度良い、小さいサイズ。
 左側のクローゼットは、右よりも遙かに大きい、どう見ても大人用のサイズ。
 バンリは一瞬左に手を伸ばしかけて、その手を右のクローゼットに向けた。
 中から小さなエプロンを引っ張り出して、いそいそと紐を結ぶ。
 くるりと回って、紐がちゃんとリボン結びになっているか確認し、バンリは寝室を出た。
「千紗さん、パンケーキは何枚くらい……」
 だが、ふと。
 暖炉の前に立つ千紗の様子に、バンリは足を止めた。
「……千紗さん……」
 暖炉の上には、写真立てがいくつも飾ってある。
 それは皆、大切な写真。モノクロの紙の中には、思い出という宝物がいっぱい詰まっている。
 その写真立ての中の、ひとつ。
 一番手前に飾られたそれを、千紗は、手に取って眺めていた。
 写真に描かれているのは、二人の青年。
 ひとりは、千紗。
 そして、もう一人は…… 上品な眼鏡をかけた、穏やかな微笑みの青年。
 モノクロの写真に色はない。だが、その髪の色は、黒とも灰ともつかない影の色。
 写真の中の青年を、千紗は懐かしそうに見ていた。
 愛しそうに、見ていた。
「……千紗さん」
 わざと足音を立てて、バンリはその隣に立つ。
 その小さな足音に、千紗は我に返ったような顔をした。青い目がすぐ隣を見て、そのまま下へと視線を落とす。
「ああ、バンリ」
「……………」
 微笑む千紗を、バンリは黙って見上げた。
 キュッと、エプロンを握りしめる。
「やっぱり、千紗さんは…… 僕が大人の方が、いいのですか?」
「うん?」
 千紗は、僅かに首を傾げた。
 だが、すぐにまた優しい笑顔になって、バンリの頭をくしゃくしゃ撫でてくれる。
「大人だろうと子供だろうと、お前はお前だ。バンリに変わりはないだろう?」
「……………」
「だが、もう三ヶ月近くになるか。お前が、子供の姿になってしまってから……」
 写真の中に目を落とし、千紗は呟く。
 そんな千紗を、バンリはただ、黙って見上げる。
 千紗の歳は、二十八。
 そしてバンリも、二十八の同い年。
 三ヶ月前まで、バンリは、写真の中にいる青年の姿をしていた。
 少しだけ癖が抜けた、影色の髪。背はすらりと高く、それでいて華奢な体付き。そして、顔には縁無しの眼鏡をかけている。
 本来の『魔法使いバンリ』は、そんな姿をしているはずだった。
 だけど、今は。
「驚いたぞ、あの時は。島に来てみたら、お前によく似た子供が駆け寄って来たんだからな…… まさか俺の子かと、一瞬本気で思ったくらいだ」
「っ、千紗さん……」
 かぁっと頬を赤らめて、バンリは俯いた。
 その横顔を、千紗は何かを見透かそうとするように、じっと見据える。
「バンリ」
「はい。あっ……」
 不意に肩を掴まれ、千紗の方を向かされる。
 バンリの高さに目線を合わせ、千紗は、真剣な顔で問うた。
「バンリ、もう一度聞こう。その子供の姿…… 本当に、ただの魔法の失敗なのか?」
「…………」
 真摯な、瞳。
 今までに何度も投げかけられてきた、問い掛け。
 千紗の言葉も、顔付きも、今までの問い掛けとほとんど同じ。バンリのことを心配してくれる、優しい人の、優しい気持ち。
 だから、バンリもいつものように応える。
「はい。魔法の失敗です」
 小さく身を揺すって、バンリは答えた。
「薔薇の花をつぼみに戻す魔法の研究で、それで……間違って、僕の方が若返ってしまったんです」
「……それは、お前に害のあることではないんだな?」
「はい。子供の身体は、とても強い生命力を宿していますから…… むしろ、調子が良いくらいです」
「だが、お前は言っただろう。そのうち自然に元に戻れると。だが、三ヶ月経っても、まだ……」
「そうですね。なかなか、元に戻れそうな兆候は出ないですね」
 千紗の言葉を遮るように、苦笑して見せるバンリ。
 その顔を、千紗はただじっと見据える。
 心配そうな眼差しも、いつもと同じ。
 だからバンリは、彼の前でくるりと回って見せた。元気な子供の姿を、その人に見せる。
「そうですね。もしかしたら、僕がこの姿を気に入ってしまっているせいかもしれません。子供ってすごいですよ? 本当に、元気いっぱいなんです」
「……………」
「研究もバリバリ出来ますし、薔薇の世話も、宵闇の魔法を維持するのも…… あ、早い時間に眠くなってしまうのは少し不便ですけど。ふふっ」
「……バンリ」
 ぐいと肩を掴まれ、千紗の腕に引寄せられる。
 バンリは、小さく声を上げた。
 その小さな身体を、千紗は強く抱きしめる。乱暴なほど強く。
 バンリと耳元で囁く、吐息混じりの声。
 それが、何だか悲しそうに聞こえて…… バンリはこくんと息を飲むと、千紗の胸に素直に顔を埋めた。
「ごめんなさい、千紗さん。もうちょっとだけ、待って下さい」
 胸元の紋章にそっと頬を寄せ、バンリは囁く。
「もうちょっとしたら、本当の僕に戻ります。でも、今は…… まだ……」
「……………」
 千紗の手が、頬に触れる。
 はたと、バンリは目を瞬かせた。
 長い指が頬を滑り、バンリの小さな顎を掬い上げて、そっと上を向かせようとする。
「っ、千紗さ……」
 思わず、バンリはギュッと目を瞑った。
 バンリと呼ぶテノールと、その人の唇の温もり。
 それが、バンリの唇にそっと触れかけた…… 刹那。

 バンバン! バンバンバン!

 突如鳴り響いたけたたましい音に、二人は弾かれたように身を離した。
 顔を見合わせ、ぱちぱちと瞬きしながら、一緒に音の方を見遣る。
「え、あ…… アヤセ君?」
「……アヤセ」
 そこにいた人影に、二人は同時にその名を呼んだ。
 窓の外には、ひとりの少年がいた。
 ぴょこぴょこと動くクロメの耳。千紗と同じ色をした金色の髪。真っ赤になった顔に焦りの色をいっぱいに浮かべて、少年は窓ガラスを叩いている。
「っ……!」
 ぴょこっとクロメ耳が引っ込むと、元気な靴音が玄関の方へ回り込んできた。
 そして、勢い良く扉が開き、黒衣の少年が飛び込んで来る。
「コラッ、チサ兄! 子供のバンリになに手出そうとしてんだよ!」
 彼はたたっと駆け寄ってくると、バンリを庇うようにして間に割って入った。
 その腰の辺りで、猫のような尻尾がぷるぷる震えている。
 大きな目でキッと千紗を睨み、少年は懸命に千紗に噛み付いた。
「チサ兄、オレも他人の色恋のことには口出ししたくねーけどな。でも、相手は子供だぞ? いくら元は大人ですって言ったって、誰も信じてくれねーぞ? ヤダよオレ、実の兄がGLL警察にしょっ引かれてくの見るなんて! 少しは自重しろっ!」
「あー、わかったわかった…… わかったから落ち着け、アヤセ」
 真っ赤な顔で怒鳴る弟を、千紗は苦笑しつつ宥める。
「大丈夫だ、別に手出ししようとしたわけじゃないさ。おはようのキスくらい、普通だろう。してやろうか?お前にも」
「っ…… い、いらねーよ!」
 肩に触れた兄の手をはね除け、少年はふんと腕組みをする。
 千紗の弟、アヤセ。
 ふて腐れたような顔をする少年は、黙ってさえいれば、少女のように愛らしい顔立ちをしていた。ドレスでも着せてしまえば、きっと姫君と見紛うほどだろう。
 猫のようなクロメの耳に、よく動く黒い尻尾。
 兄と同じ色をした髪はさらさらと長く、後ろ髪には絹のリボンが結ばれていた。恥ずかしそうに目を逸らすその瞳も、千紗と同じ空色だ。
 その首にかけられているのは、質素な銀のロザリオ。それは、少年が既に世俗を離れ、神に仕える身であることを示していた。
 大人しくしていれば、清楚可憐なその姿。
 だというのに、齢十八の少年は、見た目に合わないやんちゃな言動ばかりする。
 そのギャップが何とも微笑ましくて、バンリも、くすくすと笑い出した。
「アヤセ君、お兄さんはそんな方ではありませんよ。立派なラスター子爵家当主様なのですから。ね、千紗さん?」
「ああ、そうだぞ、アヤセ。バンリの言う通りだ」
「ふんっ…… 恋は盲目ってホントだよな!」
 ぷいっと、そっぽを向いてしまうアヤセ。
 そんな少年に、千紗とバンリは揃って頬を緩ませた。
 気が付けば、時計の針は午前九時近くを指し、シロムシクイのマギィもガルガルと呻りを上げている。
 白薔薇の島に、夜空以外の空はない。
 だが、そこにいる者の体内時計は正常だ。いくら外が夜だろうと、朝ご飯を食べなければお腹が空く。
 誰ともなく時計を見上げ、それぞれが皆、自身の空腹を思い出した。
「まぁ、何はともあれ、腹が減ったな」
 そっぽを向く弟を促して、千紗は進んでテーブルにつく。
「アヤセ、今朝のメニューはパンケーキだそうだ。お前もいただくか?」
「ん、オレも腹ペコだぜ。バンリに食わしてもらおうと思って、メシ食わないで来たし」
 クロメ耳をくったり垂らして、アヤセも向かいの席についた。
 向かい合って食卓に着く、兄弟。
 そんな二人の様子を微笑ましく見ながら、バンリはマギィを呼び、それを白いタクトに変える。
「では、みんなで朝ご飯にしましょう。さぁ、まずはお茶の用意を……!」
 小さな手がリズムを刻み、澄んだ声が歌声を紡ぐ。
 すると、ティーポットやティーカップが勝手に動き出し、食卓にことりことりと乗った。
 紅茶の缶は自ら蓋を開けてポットに茶葉を入れ、湯気を吹き上げるケトルがそこへお湯を注ぐ。
 お菓子を積み上げたお皿がぽんぽんっと現われ、テーブルの上を華やかに彩っていった。
 ラズベリーやシトロンのマカロン。とろりとチョコレートがかかったエクレアに、オレンジ風味のマドレーヌ。キャラメル味のプレッツェルがバスケットに並び、可愛いガラスの器をふわふわのマシュマロがいっぱいに満たしていく。
「……わぁ……」
 お菓子の花が咲く食卓に、アヤセは目を輝かせた。
 それは、もう何度も見ているはずの光景。それでも、少年は何度でもその目をキラキラさせる。
 千紗も、端正な顔を穏やかに綻ばせた。
 テーブルにたくさんのお菓子が並んでいくのは、大人になったって、楽しいこと。
 まして、こんな夢のような光景なら、なおさら。
「お待ち下さいね。今、パンケーキを焼いてきますから」
 エプロンの紐をキュッと引いて、バンリはキッチンに立った。
 既にテーブルはお菓子で溢れそうだと言うのに、パンケーキの焼ける甘い香りが部屋中を包んでいく。
「じゃ、いただきまーす」
 アヤセはさっそくマシュマロを摘み上げ、もふもふと美味しそうに頬張りはじめた。
 千紗も紅茶を取り上げ、そっと口に運ぶ。
 ぽんっと、フライパンの上を跳ねるパンケーキ。
 メープルシロップやジャムの瓶がことりことりと並び、三人分の食器がどこからともなく現われた。
 ほかほかのパンケーキを山のように皿に積み上げて、バンリはにっこりと笑う。
「お待たせしました。さぁ、どうぞ」
「おー!」
 待ってましたとばかりに、アヤセはフォークとナイフを取り上げる。
 それを行儀が悪いとたしなめつつ、千紗も美味しそうな匂いのするパンケーキに目を細めた。
「ありがとう、美味そうだ。いただきます」
「いただきまーす」
「はい、どうぞ」
 さっそくナイフを入れ始める兄弟を微笑ましく眺めて、バンリも二人の間の席に着くと、パンケーキにたっぷりとミツアリの蜜をかけた。
 お菓子と紅茶に囲まれた、暖かな朝食。
 アヤセは無邪気にパンケーキを頬張り、千紗は上品な仕草で口に運び、バンリは小さな子供とは思えないほど沢山のパンケーキを平らげる。
 甘い物は、バンリの大好物。
 だから、バンリの家の中は、いつもお菓子の甘い匂いで満たされていた。
 家の外に出れば、そこは白薔薇の香りに包まれた庭。
 ラヴォクスのバンリの髪からは、甘いチョコレートの香りがする。
 ここは何もかもが甘く、何もかもが優しいところ。
 窓の外には、夜の帳に覆われた庭。
 外が宵闇に閉ざされているからこそ、部屋の中がいっそう明るく感じられる。
 明けることのない夜は、時が経つのを忘れさせてくれる。
 千紗も、アヤセも、とても安らいだ表情をしていた。
 バンリにとっても、それはとても幸せな時間だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
            《3》へ続く
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
■ というわけで、連載物の2回目です^^
DollyLuster版ちーちゃんの登場に続いて、アヤセも出て来ました。
お読みいただいて「あれ?」って思われた方もいらっしゃるかもしれませんが…… こっちの世界では、千紗とアヤセは兄弟ということになってます。
(実は、普段のDollyShadow世界でもそうなのですが、そこはまだ未発表ということでげふんげふん)
ちなみに、今回の部分では、バンリさんがお菓子いっぱい出すシーンの描写が書いてて楽しかったなーと^^
昔から児童書とかでもお菓子とか食べ物描写のシーンが大好きだったので。せっかくファンタジー話だし、魔法使いが出てるし、ちょっとやってみたかったのでした。
 
 

【イラスト/桜井嬢】
 
 
というわけで、登場キャラの紹介2人目はDollyLuster世界版の千紗。
ラスター子爵家という貴族の家の当主です。
DollyShadowの方のちーちゃんはちょっと髪切りましたが、こっちのちーちゃんは髪切る前だったのでくるんくるん。
仔バンリと並ぶと、何だか通報されそうな気配がしますね^^;
ちょっと大変な立場にいる子爵様。この話では、むしろちーちゃんが主人公なんじゃない? ってくらいご活躍されます。
どうぞ続きもお付き合い下さいませ~^^
 
 

 
 
■ リヴのヤミ箱は、何やらルーレット形式になって……
果たしてこれは自分で目押しが出来るのか、それとも結果は決まっているのか、非常に気になるところですね;
でも、検証しようにもヤミーが必要ですし…… うーん(`・ω・´;)
それはさておき、ミズリはヤミショの方で大事なものを見逃してました。危ない危ない。
エレガントカーテン、買っておかなきゃ!



「やぁ君、庭に出てきたまえよ。美味しいお茶を淹れてあげるよ」


もう、話題が古くて申し訳ないですが……
でもでも、このカーテンすごく素敵! こういうアイテム、インドアレイアウト好きの我が家にはすごくありがたいです。
以前出たレースカーテンも重宝してるんですけど、またちょっと違う雰囲気のカーテンが出てくれて嬉しい!^▽^*
特に、クゼさんにぴったりで……!
クゼさんの教会にはクゼさんお気に入りの中庭があるのですが、そこへの入り口はレースカーテンの掛けられたフランス窓なのです。
そう、まさにこんな感じ!
設定通りのアイテムが出てくれると嬉しいですよね。ヤミショGJでした^^
あとは、白薔薇のガーデンが出てくれたらいいな…… クゼさんのお庭は、本当は白薔薇の庭なのです。
で、でも箱はちょっと…… 出来ればヤミショで!><







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